おとなの歯科治療 予防定期健診
予防定期健診
歯は削ったら二度と元に戻らない
歯は削ったら、二度と元に戻りません。
そんなの当たり前じゃん!
と思われるかも知れません。
しかし、人間の体で考えてみてください。
転んで擦り傷ができてもたいていの場合、ヨードチンキを塗っておけば治ります。
体は骨が折れても、ギブスをしておけば骨ができて治ります。
歯は他の体の組織と異なり、自浄作用(自分で良くなる能力)がないのです。
ですから、悪くなったら、悪い部分を削り落として、人工の物で補うしかないのです。
そうならないためには、常に悪くならないように気を使ってあげる、大切にしてあげることが欠かせないのです。
どうしたら歯を残せるの?
では、どうしたら歯を残せるのでしょうか?欧米諸国はどのようにして、歯を残しているのでしょうか?
その答えが1~3ヶ月に1回、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けることなのです。
欧米では、治療ではなく、このメンテナンスに力を入れたことによって、国民の平均残存歯数が飛躍的に向上したのです。
日本でも、熊谷崇先生の調査によると、メンテナンスをしっかり受けた方と受けなかった方とでは80歳になったときに約9本もの差がついているのです。
皆さんは、80歳になったときに、何本、歯を残していたいですか?
予防歯科メンテナンスではこのようなことをします。
- 1.定期的な口腔内のチェック
- みなさまの状態によって、1ヶ月~3ヶ月ごとにお口の中を診査します。むし歯、歯周病のチェックを行い、前回と比較します。期間は、そのかたの症状や状態をみて考えていきます。
- 2.検査の結果は、イラストで印刷し担当の衛生士が説明
- その後、みなさまにお渡しします。お家に帰ってから、ゆっくりご覧になり、前回の検査結果と比較してみてください。
- 3.歯石や歯垢を取り除きます
- 従来の歯石歯垢をとるスケーリングのみならず、PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)という方法で、歯の表面から、細菌の付いたプラークをはがし取ります。
- 4.きれいになった歯面にフッ素を塗布
- エナメル質の強化や細菌の活動の抑制をはかり、むし歯の予防に役立てます。むし歯や歯周病は細菌が原因で起きるものです。
- どちらも、現在では進行を管理することが可能となってきました。
重度に進んでしまってからでは、治療も機能回復も困難になってきます。 - 出来るだけ進行しないよう、定期的なお口の中の健診、お手入れをしていきましょう。
MTM(メディカルトリートメントモデル)とは?
- MTMについて
- MTM(メディカルトリートメントモデル)とは、初期のリスク評価から、一人ひとりの患者さんに合わせた予防プログラムを作り、最小侵襲治療などを行い、定期的なメインテナンスに至るまでの流れです。
MTMでは、まず、あなたのお口の状態や生活習慣などをチェックします。 - 歯科医療の目的は、「早期発見して」「破壊部分を外科的に修復し」「欠損部分を補綴的に補う」というものから、できるだけ欠損の時期を遅らせるようにマネジメントしていく方向へと向かいつつあります。
もちろん、そのためには、医療者は多くの専門的な知識と的確な技術を保持していることが必要で、それを適切に生かし患者が安心して継続的に来院できるような人間性やコミュニケーション能力が欠かせません。
また、診療所は快適で清潔で、個人のプライバシーが守られた医療環境を備えていなければなりません。 - 初診・診査・診断
- それぞれの人がかかりやすい疾患や、その原因を、正確に審査、診断することから治療、予防の第一歩が始まります。年齢、歯の部位、細菌の種類と数、唾液や歯の性質など、いくつかの要素が重なった時に歯や歯周組織の病気にかかります。予防はその危険度に応じて、危険性のある部位や全身の状態などを知った上で行う事が効果的です。
- う蝕・歯周病の発症前治療・最小侵襲治療
- 歯を失う原因の多くが、歯の二大疾患であるう蝕と歯周病。そのう蝕や歯周病を発症する前の潜伏期、またはごく初期の病気のうちに発見し、治療と予防をすれば、自分の歯を生涯、健康に保つ可能性が高くなります。
必要であれば最小限の治療を行い、予防のための目標と方法を具体的なプログラムとして作成します。 - メインテナンス
- それぞれの患者さんのリスクと、効果的な予防法を把握したうえで、専門の歯科衛生士が口腔内の健康を維持するために、う蝕や歯周病の原因であるバイオフィルムを破壊、除去し、継続的な管理を行っていきます。
PMTCとは(Professional Mechanical Tooth Cleaning)
PMTCとは プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング(Professional Mechanical Tooth Cleaning)を略したもので専門家による機械的歯面清掃のことです。
PMTCの効果は?
- 歯周病予防
- 歯のきわと歯肉の間の部分に強く付着した細菌のかたまりを磨き落とします。
- むし歯の予防
- 歯磨きでは落ちにくいむし歯の原因になる細菌のかたまりを磨き落とします。
- 歯を強くする
- 細菌のかたまりを除去したあとに、きれいになった歯の表面にフッ素を塗って歯を強化します。
- 歯の輝きが増す
- お掃除した表面を、特殊なペーストを使ってツルツル、ピカピカに磨きあげられます。
- お口のリフレッシュ
- 歯の表面のクリーニングや歯肉へのマッサージを行うことにより、終わった後の爽快感をご期待ください。
PMTCは、自分で毎日行なう歯磨きの磨き残してしまった部分を、患者さんに代って専門のトレーニングを受けた歯科医師・歯科衛生士が、クリーニングすることが中心となります。
歯の表面についた歯垢(バイオフィルム)や沈着物を取り去ることにより歯周病から守ります。さらに歯の質を強くするためにフッ素を塗布し歯垢の再付着を防ぎむし歯から守ります。
歯肉へのマッサージにより血行がよくなり免疫力も高まります。
少しでもプロの技術を覚えて、ご家庭でご自分でも頑張ってみてください。
イメージとしては、毎日、自分で洗顔して、時々エステでフェイシャルマッサージをしてもらうという感じです。
お口の健康を守るために、ぜひ、エステ感覚でお口のケアにも注目してみてください。
磨きにくいところは、むし歯や歯周病になりやすい危険部位であり3ヶ月に1度、歯科医院で清掃することで、むし歯や歯周病から守り、生涯ご自分の歯で噛めるようにするためのお手伝いがPMTCでなのす。